院長の作文
院長コラム
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●熊本日日新聞 令和4年12月16日 『医療の窓』より
「国民皆保険制度」を続けるために
日本の保険診療の礎となる「国民皆保険制度」は1961年から始まったので、60歳以下の方は、出生後すぐ親に手続きしてもらい医療保険に入っている事になります。
あまりにも国民に馴染んでしまっているので、今やありがたみがないのではないでしょうか?筆者は日本の医療保険制度は素晴らしいと思っているので、今回はそれを紹介します。
アメリカの例を挙げると国民皆保険制度というものはなく、民間の医療保険になりますが、そういう保険にはランクがあります。20年前・・・ >>続きはこちら
●熊本保険医新聞 令和3年10月 第551号『噴火口』より
コロナ共存時代と子どもの生活
コロナと共存する中での子どもの生活情報は、フェイクニュースは少ないようですが、 逆に、単に「子どもは小さいから大変だ!重症化する!」という無知な人達の過剰な心配情報で溢れています。小児科医(筆者)からすると、これらは善良なだけに厄介なものです。これから10歳未満の小児の死亡例が必ず出現すると思いますが、メディアに出てまた大騒ぎになるでしょう。ただ、いわゆる季節型の感冒コロナでさえ、今まで調べなかっただけで、50万人に1人・・・ >>続きはこちら
子どもの生活 制限し過ぎずに
昨年から等クリニックの外科診療の患者さんはとても少なくなりました。病気の子どもさんがいない、ということはとても良い事です。ただその中でも小中学生が時折来院されるのですが、最近ちょっと心配です。とにかく目がどんよりして覇気がない児童や生徒が多くなりました。
ところでみなさんは新型コロナウイルスではなく季節型コロナのことはご存知ですが?今までに普通の感冒を引き起こすコロナは4種類知られていました。生まれてきた赤ちゃんにとっては新型コロナを含め、5種類のコロナはすべて新しいコロナになります。つまり赤ちゃん・・・ >>続きはこちら
●熊本日日新聞 令和元年6月28日 『医療の窓』より
名医の見つけ方
ご自身はともかく、小さなお子様や高齢の両親が重篤なびょうきになった時、名医に診てもらいたいと思ったことはありませんか?僕は名医への道をはなから捨てている小児科ですが、こういう希望は分かります。
ただ医師の仕事である病気の診断や治療、予防は基本的に病気ごとのマニュアル(ガイドライン)があり、その通りにやっている医師がほとんど。重篤な病気でも「この医者にしか治せない」なんてことは、ほぼありません。逆にどんな患者さんにとっても名医になるという医師は、存在しないことになります。でも大丈夫です。普通の医師や・・・ >>続きはこちら
●熊本日日新聞 令和2年7月2日 『県内開業医 コロナで患者減』より
回復見えず 募る危機感
「閉院もあり得る」「職員にボーナスが支給できない」。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた受診控えにより、県内の開業医の多くが外来患者の減少と減収に直面している。第2波の懸念などから回復の見通しは立たず、危機感を募らせる。
熊本市中央区の駒木小児科クリニック。予防接種を受ける子どもの姿が見られるが、駒木智院長(59)は「予防接種があるので収入は3割減くらいだが、外来患者数は半減している」と話す。
コロナ前では平日で80〜100人ほどだった外来患者は3月以降、40人前後に減った。受診抑制に加え、例年この・・・ >>続きはこちら
●熊本日日新聞 平成31年1月18日 『医師 インフル感染対策は』より
やっぱり基本 手洗い、うがい
受験シーズンを迎えた中、県内はインフルエンザの大流行期に入り、医療機関には連日多くの患者が訪れている。感染リスクが高い中で診療に当たっている医師は、どう予防をしているのだろうか。
インフルエンザのウイルスは鼻や喉、眼などの粘膜からヒトの細胞内に入ってくる。熊本市中央区の駒木小児科クリニックの駒木智院長(57)は「とにかくウイルスを体内に入れないこと。顔付近に手を近づける前には必ず洗って」と話す。
駒木院長が冬場にインフルエンザを発症したのは10年前の開院以来1度だけという。 駒木院長が心掛けているのは、・・・ >>続きはこちら
●熊本保険医新聞 平成29年7月5日第500号 『私のお気に入り』より
金沢市 鈴木大拙館
2011年に鈴木大拙館は、氏の没後40年ほどして金沢市に建築されました。石川県立美術館の裏の「美術の小径」を下った山の際、住宅地に入る所の小さな建物です。博物館でも美術館でもなく、そのままの鈴木大拙館という名前がついていて、鈴木大拙の生涯に学び思想に出会う場所として定義されています。思索館でしょうか?
鈴木大拙さんは、1870(明治3)年金沢市で出生、21歳で現東京大学入学、27歳から39歳、つまり1909年までアメリカで編集員として仕事をしながら、禅や仏教の紹介をアメリカでされています。・・・ >>続きはこちら
●熊本保険医新聞 平成29年7月5日第500号 緑陰寄稿特集『私の暑さ対策』より
1994年の猛暑を思い出す
1992年11月に北海道から熊本に来ました。1993年に熊本大学小児科大学院に入学。小児科医局から基礎医学棟へ実験のため産業道路をよく横切るのですが、五月のGWにはすでに30度、実験道具を持ちながらの信号待ちが長すぎて、太陽光線が私の頭を照りつけ、私の身長がどんどん縮まっていくという、不思議な、まずいぞ、これという感覚を持ちました。
翌1994年、熊本の猛暑はすさまじかった。調べてみると35度以上の猛暑日が四41日間熊本でもあり、7月16日 日には最高気温38.8度、これがしばらく続き8月の月最高気温平均は35.1度でした。・・・ >>続きはこちら
●熊本県保険医協会『乗り越えよう熊本地震2016』(2017年5月26日発行)より
箸休め — 蟹屋さんとM君のこと
前震や本震があって、「大丈夫?」メールや電話が皆様にも沢山きたでしょう。我が家では親戚を除いて、どこから最初に電話があったかというと、なんと北海道知床(しれとこ)の蟹屋さんからの大丈夫?コールでした。カニ屋ですよ、カニ屋(笑)。僕は北海道出身で、熊本で開業してから、世話になった熊本の人に故郷のカニセットを毎年お歳暮に送っているのですが、その海鮮卸さんでした。その方とは注文のFAXしかやり取りをしたことがないのですが、さすがにその電話が本震後の最初のコールだったので驚きました、「大丈夫ですか?ケガはありませんか?何かお送りしましょうか?」と訊いてくれるのですが、「ケガはないけど毛ガニをただで送って」と言おうと思ったけど流石に言えないし(笑)、、、有り難かったけど困った記憶があります。でも面識もないのに温かい人でした。昨年末の復興の証としてのお歳暮には、その業者さんが値段のわりにサービスしてくれて熊本の人に随分良いカニを送ってくれたはず。・・・ >>続きはこちら
●熊本保険医新聞 平成28年10月号 『噴火口』より
一.小児科医から「そもそも義務教育の小中学校を避難所にして良いものか?」
こういう未曾有の時には「しょうがないでしょ」と一言で片付けられそうだ。ただ避難所を学校にするのは、「教育を受ける権利」を奪っているから、これは明確に憲法違反ではないだろうか?おまけに学校の授業がない子ども達に老人の肩もみやら、お茶出しなどさせて、それが子どものボランティアとして新聞にも一面で美談として取り上げられている。
結果としてだが、子どもの教育を受ける場所をなくして、そこでの子どものボランティアを美談として出してしまう我々オトナって、もう感性がおかしいのではないか?私はとても恥ずかしく悲しい気持ちになりました。また基本的な権利が奪われる時には順番があって、子どもさんらの弱者から始まるのは間違いないようです。これも勉強になりました。・・・ >>続きはこちら
●熊本保険医新聞 平成27年5月号 『一笑一盃』より
将棋の話である。将棋のプ口棋士とコンピューター(人工知能)の戦いは、三年前から始まって、人間側がずっと負け越していたのだが、今年はやっと人間側が最終戦に勝ち三勝二敗で初めて勝ち越した(だから今回は『三笑二盃』ですね)
▼実はもう人工知能の方が圧倒的に強いのである。プロ棋士は最高頭脳を持っている人類であると思うが、今は半年前からプロヘの将棋ソフト貸し出しで、ソフ卜の改良は不可、プロ棋土は懸命にソフトの穴を探して今回はやっと勝ち越した、という結果なのだ。天才たちが正攻法ではなくいわゆるゲリラ戦法で勝った、という事に衝撃を受けた・・・・ >>続きはこちら
開院にあたって
(H20.11月の開院時パンフレットより)
小児科の一流のジェネラリストを目指して研鑽を積んでいく事は、サブスペシャリティを持つことより大事と考えています。分子生物学や遺伝子学を含むほぼすべての小児科領域の詳細な知識と診療経験を持ちながら、遺伝カウンセラー医の資格を取る事も考えず、学会にも参加せず、自分でずっと勉強していて、これを続けていこうと考えています。
【付記】開業から9年経った今思うと、上記はずいぶん力んだ文章で、自分でも少しおかしいのに気づきますが、懐かしいので載せておきます。(H29.6月)
ホームページ開設にあたって(H29.6月)
開院9年目でやっとホームページを作ることができました。
少しずつですが、できれば信頼するに足る医療情報を提供したいと考えています。
医療情報は実は明るい話ばかりではありませんが、私は基本的に楽観主義の性格ですのでご安心ください。よろしくお願い申し上げます。
祝!エリック・カール展@熊本 ※終了しました
開催までのうらばなし
昨年より、日本を巡回している『はらぺこあおむし』の作者、エリック・カール展が、2月10日(土)より熊本で開かれています。本展示は、各会場の入館人数の記録を塗り替えている程の人気です。
昨年の4月でしたか、うちのクリニックの待合室がエリック・カールさんの絵本でいっぱいで子どもさんもとても喜ぶので、東京世田谷美術館で開かれていたエリック・カール展に行きました。そこでもいたく感動したのですが、あと京都、岩手、いわきなどで展覧会をするとのことでした。
熊本震災で傷ついた子どもさんを少しでも元気づけができたらいいなー、と思って熊本でもこの展覧会ができないか、と思いました。熊本に帰ってから、主催の事務局、主催の読売新聞社、出版社の偕成社に連絡をとりましたが、エリック・カール絵本美術館自体が大きすぎて、とても交渉できないとのことでした。
そこでいろいろ考えました。患者さんの手紙でも良かったのですが、事を大きくするのは私の本意ではないので、職員の子どもさんの手紙を20通ほど集めて、私が英文で「是非熊本でも展覧会をしてください」と、昨年9月にエリック・カール絵本美術館のエリック・カールさん(88歳)に直接手紙を送ったのです。当クリニックには返事は来なかったのですが、昨年12月に熊本でも展覧会開催が決まり、今月10日(土)より開催中です。しかも無料です!
開催場所の熊本市現代美術館に聞いてみると、突然開催が決まったようです。現代美術館には読売新聞社から依頼があり、読売新聞社には、熊本の医師から手紙があったので、とアメリカのエリック・カール絵本美術館から連絡がいったようです。
こんな事は実は私の一生で1、2回あるかないかの奇跡的な事でした。
「絵本原画の展示を通じて復興の手助けをしたい」というエリック・カール絵本美術館の思いを込めて特別に開催された本展示に、ぜひ足をお運びください。
H30.2.15 院長
>>エリック・カール展 公式ホームページ
>>熊本市現代美術館 公式ホームページ
熊本日日新聞 期間限定コラム『一筆』
熊本日日新聞にて2017年4月6日から6月29日まで、期間限定で連載しておりましたコラムです。
下記の記事画像をクリックしていただくことで、PDF形式で内容をご覧いただけます。